【テーマ選定について】

 今年度は、『建設業と安全(今我々にできること)』、『建設と環境(今我々に求められていること)』の二つのうちから一テーマを参加者に事前に選択してもらい、班分けを行うことにより経験20年以上程度までの機電技術者が、より具体的なテーマについて深く論議してもらえるものと考えた。
 テーマの趣旨説明に『建設施工行政の現況』(国土交通省・総合政策局・建設施工企画課、平成17年3月)を用い、日本の建設安全行政、建設環境行政についての考えを紹介し、切り口の一つとしてもらった。
 各班の討議内容を“提言”として一つの形にまとめることも視野に入れながら、活発な意見交換が行われた。

【各班まとめの要約】



メインテーマ:『建設業と安全(今我々にできること)』、
        『建設と環境(今我々に求められていること)』
 
グループ メンバー構成の特徴・要約
1班

ゼネコン4社・舗装2社で構成,管理5名,現業1名,開発0名 平均年齢31.3才

ヒューマンエラー未然防止システム・・・搭乗カードによる有資格者管理

現状⇒
・現場入退場システムを活用している現場有
・有資格証統一の登録DBはない
問題点⇒
・設備投資、個人情報、セキュリティ、不正使用、システム化・普及・確立
対策⇒
・助成金の利用
・生保、損保の協力
・生保、損保の協力
・情報セキュリティ会社との提携
・顔写真入りカード
展望⇒
・各協会、団体に呼びかけ普及
・発注者サイドの理解
・作業員教育制度の確立

⇒ 討議成果表

2班

ゼネコン4社、舗装2社で構成,管理4名,現業2名,開発0名,平均年齢32.8才

『機電職員だからできる安全管理』・・・今我々にできること

現状⇒
1.工期短縮を図る
2.建設機械選定時、不具合は無いものとしている
3.優秀な人材が少ない
原因⇒
1.受注額減少により経費節減
2.検査に合格した機械、メーカを信頼
3.業界に入る人材が減少
問題⇒
1.突貫工事、工期優先傾向
2.設計、製作時の不具合発生
3.外注により安全意識の低下
対策⇒
1.機電職員ならではの機会開発
2.機電職員による点検、整備
3.魅力あふれる建設業界の構築

⇒ 討議成果表

3班 ゼネコン5社で構成,管理2名,現業2名,開発1名,平均年齢34.8才
『環境技術は機電技術』・・・建設業における環境技術

建設業の環境問題⇒
・生産過程:CO2、排ガス、排水、騒音・振動、廃棄物、粉塵など
・適正処理:ダイオキシン、PCB、重金属類など
・代替エネルギー:ソーラパワー、風力発電、燃料電池他
機電技術者の役割⇒
・適正な機械の導入整備、新技術の導入
・ニュートラルな立場で調整を図る
提言⇒
・業界体質の改善
・効率重視の改善
・クールUP費、グリーンUP費の導入
・機電技術者の意識向上
・優秀な人材の確保
・有益な補助金制度の導入
・技術の活性化


⇒ 討議成果表

4班

ゼネコン4社、舗装1社で構成,管理4名,現業1名,開発0名,平均年齢35.2才

『建設と環境』・・・目指せe環境

現状⇒
・オゾン層破壊、大気汚染、酸性雨、ダイオキシン→地球温暖化
環境対策項目⇒
・地球温暖化のCO2に絞込み
 →計画・設計段階におけるCO2発生抑制
 →施工段階のCO2発生抑制
建設業における対策⇒
・低燃費機械の使用/排出ガス対策型建機の使用/省エネ工法の採用
・技術の伝承
機電職員にできること⇒
・機械整備運用における教育、開発
・メーカとの共同開発
・環境を念頭においた工法提案を行う
・協会主導による発注者〜施工者〜メーカ相互の意見交換と環境意識の向上

討議成果表

5班

ゼネコン4社,舗装1社で構成,管理4名,現業0名,開発1名,平均年齢36.4才

『建設と環境、今できること』・・・省エネルギーの推進

建設の環境への影響⇒ 対自然環境:空気・水・土壌・資源・廃棄物
対人間環境:排出ガス・振動・騒音・粉塵
検討項目⇒
1.省エネルギー:重機械対策、運転手法改善、工程の適正化
2.代替エネルギー:太陽電池採用、風力発電採用、小型水力発電の採用
具体策⇒
1.重機モニタリング、理想燃費明示、エコ運転資格
2.代替エネルギー導入割合の目標設定、リース物件の充実
提言と結論⇒
・発注者の指導(発注条件盛り込み)、積算への反映
・施工者に意識改革
⇒ 大気汚染の防止、地球温暖化防止、化石燃料枯渇対策、コストダウン、 業界イメージアップへ大きく寄与

討議成果表

 

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