ブックタイトル日本建設機械要覧2016-試し読み

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概要

日本建設機械要覧2016-試し読み

4.1 トラックおよび重ダンプトラック4 - 34化や安全性向上のため自動でブレーキを制御する被害軽減ブレーキを装着したものもある。また荷台振動低減のためエアサスペンションを装着したものが普及している。4.ダンプトラックの機種選定ダンプトラックの機種(サイズ)選定で重要なことは積込機との組み合せとダンプトラック必要台数であり,以下に検討事項を紹介する。積込機との組み合せにおいて検討すべき事項は,①積込機作業能力,②ボディ積込高さと積込機ダンピングクリアランスの関係,③ボディ幅と積込機ダンピングリーチの関係,④ボディ長さと積込機バケット幅の関係,⑤ボディ積載質量と積込機バケット1 杯当たりの積荷質量の関係(バケット何杯で満載されるか)である。ダンプトラック必要台数は,ダンプトラックのサイクルタイムと工事期間の稼働時間,工事の計画生産量から概略求められる。サイクルタイムは積込み, 放荷,走行時間から算出でき,走行時間は運搬路の距離・勾配・路面ころがり抵抗をもとにメーカが用意している走行性能線図およびリターダ性能線図から求めることができる。また,コンピュータを利用したシミュレーションにより,運搬量,走路・走行条件を与えればサイクルタイム,生産量,運搬コスト等を予測できるソフトウェアもある。5.運搬路の設計と維持管理重ダンプトラックの運行にあたって運搬路の設計と維持管理は生産性,安全性に大きく影響する。運搬路の設計において考慮すべき項目は,幅員,勾配,カーブ,視界と車間距離,路面の平坦度,構造である。片側一車線対面通行の運搬路においては,安全に対面通行できる幅員は車幅のほぼ4 倍が必要である。積込地点から排土地点に標高差がある場合は,勾配を小さくすれば運搬距離は延び,勾配を大きくすれば運搬距離は短くなる。勾配は一般的に10%以内とすることが望ましいが,勾配を規定すると,地形によってはカーブや視界の悪い地点が多発する恐れが生じる。カーブや視界の悪い地点があると安全性や生産性が低下し,運搬距離が長くなると運搬路造成費が高くなるといった問題点が発生する。運搬路の勾配を決定する場合は,現場の地形,運搬量,安全性,造成費等総合的に検討する必要がある。重ダンプトラックが走行する走路は未舗装路がほとんどで,発揮できる速度は走行抵抗に大きく左右される。走行中にかかる抵抗の主なものは,タイヤと路面の抵抗(=ころがり抵抗)と勾配抵抗であり,勾配抵抗は地形によって決定される。ころがり抵抗はタイヤの撓む際のエネルギー損失と,タイヤと路面の変形量の違いによって生じる摩擦によるエネルギー損失から成り立っている。ころがり抵抗が小さくなるように運搬路を設計するとともに,作業中はモータグレーダ等により運搬路を整備,維持管理することが重要となる。また,ダンプトラックがまき上げた土埃等により視界が確保できなくなれば,設計通りの走行速度を維持することは困難となるため,散水車もモータグレーダなどと同様に維持管理には欠かせない機械である。以上のように,重ダンプトラックの運搬路の整備は,生産性,安全性の確保だけでなく車両およびタイヤの整備費低減,オペレータの負荷軽減にとって重要である。6.ダンプトラックの整備・法令・安全管理ダンプトラックを経済的に使用するためには,車体の定期点検・整備が不可欠である。特に法令の定めのない重ダンプトラックにおいても,メーカの定める定期点検・整備を行う必要がある。トラックおよびダンプトラックが公道を通行する場合は,自動車としての道路交通法,道路運送車両法および道路法による制限を受ける。この制限をこえる車両は特殊車両として制限緩和手続きが必要となる。安全および環境への配慮図4.1-1 積込機の組み合せシミュレーションの例<条件>1. ダンプ作業効率:0.902. ダンプの待ち時間:なし3. 走路勾配:0度4. 平均車速:18~28km/h5. 運転時間:8h/日×25日/月10009008007006005004003002001000160014001200100080060040020003228242016128400 200 400 600運搬距離(m)800 1000作業量(万t/月)積込機: 8.5m3 ホイールローダダンプ: 46 トン積ダンプ距離別ダンプ生産量2 台1 台3 台(m3/h)