ブックタイトル日本建設機械要覧2016-試し読み

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概要

日本建設機械要覧2016-試し読み

4.3 特装自動車4 - 194 概   説特装自動車とは,トラック等の標準シャシを用いて使用用途に応じて作業装置を架装し,装置に動力が必要な場合は走行エンジンなどを切り替えて稼動ができるように,特別な装置を架装した車両である。1.種   類? 建設関連車両ダンプトラック,トラックミキサ,側溝清掃車,散水車,配水管清掃車など。? 専用運搬車両粉粒体運搬車,車両運搬車,タンクローリ,コンテナ運搬車,セルフローダ車など。? 荷役省力車両クレーン付トラック,テールゲートリフタ付運搬車,脱着式ボディ車,ウイング車など。? サービス車両空港作業車,給油車,レッカー車,塵埃車など。? その他消防車,災害対策車,排水ポンプ車などの特殊用途に適した車両。2.構   造特装自動車の運転走行に関する機構は,標準車両のものと変わりないが,シャシ上に用途に応じた架装装置を装着しており,これら架装装置によっては,車両からの走行動力や電源等を取り出し,主動力としている構造のものが数多くある。? 動力源① 車両の走行エンジンに直結されたトランスミッションの側方にP.T.O.(Power Take Off)の取り付け窓口があり(トランスミッションサイドP.T.O.),架装時にP.T.O. を装着し,架装装置の動力を取り出すもの。主に大きな動力供給を必要としない,ダンプ,タンクローリなどに使用。② 車両のエンジン後方のフライホイールより動力を取り出すようにしたフライホイールP.T.O.。主に大きな動力を必要としない,トラックミキサ・除雪車等に使用。③ 車両エンジンの出力を最大限利用できるように,エンジンとミッションの間に取り付けた中挟みP.T.O. およびドライブシャフトの中間部で切換えられる構造としたトランスファP.T.O. がある。これらのP.T.O. は,主に大きな動力供給が必要となるトラックバックホウや,消防車,照明車,排水ポンプ車などに使用されている。? 架装構造① ダンプトラックの場合は,トランスミッションサイドP.T.O. を使用し,オイルポンプを駆動し油圧を発生させる。車両運転室に取り付けたダンプレバーの操作によりオイルをホイストシリンダに送り,荷台を上昇させる(図4.3-1 ダンプトラックの構造参照)。ダンプ機構には,ガーウッド型,マレル型などの方式がある。② 粉粒体運搬車の場合,トランスミッションサイドP.T.O. を介して,コンプレッサを駆動し圧縮エアを発生させ,そのエアをタンクに送り粉粒体をサイロなどに圧送する(図4.3-2 粉粒体運搬車の構造参照)。3.特装車の展望規制緩和を目的とした法改正や,過積載対策を強化した道交法の改正,さらに新規格車両の登場で,特装車の取巻く環境は大きく変化した。今後はトレーラ化や架装装置の軽量化など,最大積載量の大きい車両の開発や走行時や作業時の排出ガスの低減やクリーン化,騒音などの環境対策が重要になっている。4.3 特装自動車SPECIAL EQUIPMENT TRUCKダンプレバーリフトアームダンプレバーロックテンションリンクホイストシリンダピストンロッドオイルタンクオイルポンプPTO ドライブシャフト図4.3-1 ダンプトラックの構造排出バルブエアバルブエアバルブエア抜きバルブエア抜きバルブコンプレッサ2次空気バルブPTO圧力計安全弁図4.3-2 粉粒体運搬車の構造