ブックタイトル日本建設機械要覧2016-試し読み

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概要

日本建設機械要覧2016-試し読み

4.運 搬 機 械4 - 204 概   説不整地運搬車は,一般にダンプトラック等が入れない不整地,軟弱地等の現場で運搬機械として使用されている。圃場整備,河川改修,林道造成,土地造成,ゴルフ場造成等の土木工事および造園,果樹園,牧場など種々の現場で,土砂,砂利,生コンをはじめとしてU 字管,ヒューム管,鉄骨,木材等の資材運搬の合理化,省力化に役立っている。不整地運搬車は1973 年頃より最大積載質量2t クラスを中心に市販され始め,当初は鉄クローラ式がほとんどであったが,その後ホイール式の出現を経て,現在ではゴムクローラ式が主流となってきている。また,その最大積載質量も現在では0.3t から20t 級の大型まで幅広く市場に存在している。ここ数年は東日本大震災をはじめとする大規模自然災害の多発に伴い,復旧工事に使用する為,各クラス共に需要が増加している。1.種   類不整地運搬車は走行方式の型式からクローラ式とホイール式に大別される。① クローラ式はクローラキャリアとも呼ばれ,鉄クローラとゴムクローラがあるが,ゴムクローラの切断強度,磨耗耐久性向上に伴い,現在では,鉄クローラは少なくなり,路面を傷めず機動性,乗心地の面で優れているゴムクローラが大半となっている。② ホイール式は積載質量3t 未満のもので採用され,4 輪から8 輪の全駆動式で,接地圧が高く軟弱地の走破性ではクローラ式に比べて大きく劣ることから次第に減少し,現在ではほとんどその姿を消しつつある。2.構   造? 動力伝達方式不整地運搬車の動力伝達方式は機械駆動式と油圧駆動式に大別される。① 機械駆動式には,主にクラッチ,変速機により機械的にエンジン出力を足回りの駆動に伝えるダイレクトドライブ方式とベルトテンションを利用して駆動を伝えるベルトテンション方式の二通りがある。この機械駆動式は伝達効率が高い反面,運転操作やメンテナンスにやや難があり,現在では主に積載質量1t 未満のものの駆動方式として採用されている。② 油圧駆動式は,エンジンで駆動される油圧ポンプと油圧モーターからなる閉回路方式(HST)が使用され,変速およびスピンターン等の運転操作が簡単で,作業性もよく,メンテナンスが楽である。HST 方式には1 ポンプ+1 モーター式で分配減速機を併用したものと2 ポンプ+2 モーター式とがある。3t 以上の中,大型はほとんどすべて後者の方式を採用し,旋回性を重視している。? 荷   台不整地運搬車の荷台形状はその扱い物によって異なるが,次の3 種類に分類される。現在では積載質量1.5t 未満のものは図4.4-2 ①のタイプが多く,1.5t から10t クラスのものは同図①,②タイプを併用,10t 以上は同図③タイプが主流となっている。また近年,作業効率を向上させつつ,同時に車体の方向転換の頻度を減らすことによって路面やゴムシュ4.4 不整地運搬車ROUGH TERRAIN DUMPER図4.4-1 不整地運搬車の走行方式クローラ式ホイール式図4.4-2 不整地運搬車の荷台形状①三方開きタイプ②後方開き③スクープエンドタイプ