火災を防止するためにお客様にお願いしたいこと
情報化機器技術委員会編集(平成22年度活動実績)
まえがき
我々建設機械化協会「情報化機器技術委員会」は国内建設機械メーカー各社の「電装品」設計担当者を中心にした委員会です。委員会内で話し合ったところ、各社とも原因のわかった火災のうち約3分の1が電気を原因とした火災です。そのなかには、お客様の後改造によるものや、不適切な整備によるものがあり、いわば「防ぎようのあった」と思われる火災もあります。そこで、我々委員会としては各社の事例を持ち寄って、機械の使用者であるお客様に再発防止のためのお願い集を作ってみました。
建設機械メーカー各社の機械が、市場において、下記のごとき「不適切」な使われ方が原因で火災を発生し、お客様の大切な財産が失われています。件数は、自動車の火災と大差なく機械寿命中に数千台に1台程度の確率ですが、機械が全焼してしまい、復旧できない場合もあり経済被害が甚大です。
油圧ショベルの作動油が燃え始めると、爆発はしないものの、火勢が強く市販の消火器1本では消化できません。(消火器でも初期消火には役立ちますが。)火災の防止には「予防保全」が肝要です。下記の注意事項を守って御使用いただくように、メーカーとしてお願いいたします。
お願いしたいこと。
1.電気部品の取り付けはメーカーのディーラーにご相談ください。
正規代理店以外の「電気屋」でホーン、ランプ、無線機などを取り付けないでください。事例1.
2.油圧ホースは定期交換部品です。
取説に記載されたアワメータまたは交換時期でただしく交換願います。
古いホースをそのまま使い続けると、劣化によって油洩れして、火災の原因になります。事例2.
3.油圧ホースは市場の「ホース屋」にたのまずに、メーカー指定の工場で交換してください。
純正品でないホースは耐圧や耐久性が低いのですぐにダメになるものがあります。
ホース交換の際にメーカー指定工場でないと、正しい配索でとりつけられないので、他の部品とあたってしまい、
磨耗から火災にいたる場合があります。事例3.
4.エンジンルームに木材チップ、廃木材、わら、紙などの可燃物がたまっていると、
エンジンやマフラーで燃え始めた浮遊ごみでひがついて
大火災になってしまう危険が増大します。事例4.
エンジンルームにゴミが溜まっていると、電気のスパークで火がついて
全焼火災になってしまう危険が増大します。
エンジンルームはこまめに掃除しましょう。エアで飛ばすだけでなく、「吸い取って」ください。事例A3.
5.灰皿の下や床の上に、紙くず、ビニールごみ、ウエスなどの可燃物があると、
灰皿からこぼれた灰で火が付いて火災になる事例があります。
キャブ内はいつもきれいにし、ものを置かないでください。事例5.
6.整備不良で電気配線がフレームや油圧ホースとこすれてショートすることがあります。
信頼の出来る販売店で整備し、日常点検で「あたり、こすれ」を見つけたら
すぐに修理してください。
事例6.、事例8.、事例9.、事例A1.、事例A2.